2014年08月01日

笑顔で

息子がバスケやっていた時のチームメイトのお母さんが亡くなられた。
彼女とは血液型も誕生日も同じだった。
性格判断やら占いの類の結果が一緒とはとても思えない…と心の中で思っていた。

息子のミニバス時代には選抜でも一緒に頑張った。

息子がバスケを辞めたときは「何とかならないのか?」っと悲しい顔で声をかけてくれた。

今年の2月には息子さんと卒業旅行でTDLへ行った様子がまるで恋人同士のような2ショット写真でLINEにアップされていた。
中学卒業の際も、高校入学式も仲の良い様子がアップされていて微笑ましかった。

中学を卒業してからなかなか会う機会はなかったけれど、たまにツムツムのハートが送られてきた。

今年の総体、息子さんが1年生ながらベンチ入りして試合にも出ていたのに彼女の姿見当たらなかったのを不思議に思っていたら、帰り道、別の友人から事情を聞くことができた。
試合当日、手術だったそうだ。
かなり厳しい状況で子供達にはまだ伝えていないとのこと。

ショックだった。

ご自身もバスケを現役で頑張っていたし、子供のバスケにもとても熱心だった。
人生すべてがバスケットを中心に回っているような人だった。

そんな彼女がバスケットをできない状況になるなんて、きっと辛かったと思う。

手術後、時折、LINEで様子がアップされていた。
お見舞いの花、千羽鶴。
一旦、退院されたと聞き、奇跡を信じた。
きっと、近所のスーパーで「あの時は大変だったー」と話をできる日がくるって。

でも、叶わなかった。
再入院。

「できれば今のうちに会っておいた方が良い」と友人から言われた。
悩んだ。
会いに行って良いものか・・・
弱った姿を見せたくないんじゃないか・・・

でも、意を決してお見舞いに行った。
言葉を失った。
もともと痩せて華奢な人だったが、さらに痩せて小さく見えた。
モルヒネの投与も増え、意識が朦朧としているようだった。
「しげななさんが来てくれたよ」というお母さんの声で少しだけ目が開いた。
しばらくして、彼女がふっと手を挙げた。
思わず手を握って「大丈夫よ」とだけ言った。
何が大丈夫なのか良くわからないけれど、何かしら安心して欲しかった。
口内の出血を娘さんが綿棒で丁寧に拭ってあげていた。
帰り際、唇が微かに動いて「ありがとう」と言ってるように見えた。
短い時間だったけど、彼女に会った最後だった。

3日後「今朝、静かに息をひきとりました」とのご主人のメールが転送されてきた。
自宅へ戻っているので、会いに来てくださいとの事だったので、御線香をあげに行ってきた。
インターホンを鳴らすと息子さんが出迎えてくれた。
驚くほど笑顔で、息子とも「おぅ!」って感じでいつもと変わらない挨拶をしていた。

自宅に戻ってきた彼女は娘さんに綺麗に化粧をしてもらって、少し笑っているように見えた。

御線香をあげて、痛みや苦しみから解放された彼女に「おつかれさま、ゆっくり休んでね」と声をかけた。
寂しいような、悲しいような、悔しいような、申し訳ないような複雑な気持ちだった。
一緒に行ったダンナも、元気だった頃の彼女の事を思い出して目を赤くしていた。
帰りの車中で、バスケの試合で子供達を応援し檄を飛ばしている彼女の声が思い出されるね…と話した。

翌日、お通夜の受付を引き受けた。
弔問の数が多いと予想され、受付は外で行った。
斎場の方から「今日はどれだけ弔問にいらっしゃるか見当がつかないので会葬御礼の品の予備はあちらにありますから」
と説明を受けたが、まったく足りなかった。
なんとか追加が届き凌いだが、ふと顔を上げると、斎場内に入りきれない弔問の列が外階段から駐車場へ向かって長く長く続いていた。
たくさんの方が若すぎる彼女の死を悼んでいた。
その若さゆえ、病気の進行も早かったのだろう。
本当に色んなことが悔やまれてならない。

彼女の LINEの『ひとこと』が
「笑顔で」
のままになっている。

私は彼女が亡くなる前日に『永遠のゼロ』を観ていた。

サザンが歌う主題歌『蛍』の一節

涙見せぬように
笑顔でサヨナラを

って歌詞が強烈に耳に残った。
きっとこの曲が流れるたび、彼女の事を思い出すことだろう。
そして、残されたものは今をしっかり生きなきゃいけないと、あらためて思った。

ご冥福を心から祈りたい。









posted by しげなな at 18:07| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
受付お疲れ様でした。
このブログを見てまた涙が出てきました。
何かふと思いだすことがあるのよねー。
私も一緒にプレーをして、私の引退試合が敵のチームで色々あったから思い出すことが多くてね。
本当にまた一緒にバスケがしたかったです。
二人とも家が近所だからたまには御線香あげに
いけるといいね。
Posted by ろみひ at 2014年08月07日 12:49
>>ろみひさん
試合中に子供達を叱咤激励している声が今でも思い出されます。
祭壇に飾られたたくさんのバスケットボールが彼女らしいなと思いました。
本当に残念でなりません。


Posted by しげなな at 2014年08月07日 17:33
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。